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「アンタさぁ。
言いたい事だけ言って逃げんの止めてくんない?」
服を掴んだ侭、ゆらりと立ち上がって。
目を逸らそうとする奴を正面から睨み付けた。
「アンタは俺にバカだって言うけどさぁ。
アンタだってバカだろ。
俺の話とか返事はどーでも良い訳?
勝手に告っといて
勝手にダメにしてさぁ」
俯いて。
此方も見ない。
俺の話なんか聞きたくないって?
冗談キツイぜ?
「黙ってないで
此方見ろよ」
視線逸らして、くちびる結んで。
強情。
ムカつく。
だから…
「此方見ろっってんだろ!
人の気も知らねぇで自己完結して勝手にどっか行こうとすんな!
さっき言った事聞いてなかったのか!?
俺は、アンタと居たいって言っただろうが!」
「バカな事言うな!
全然意味が違うだろ!
お前のと俺とじゃ…」
一瞬向けた顔を
又、俯かせて。
潤んだ瞳
泣いてないのが不思議な位
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