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ロウソクをケーキに立てながら、僕はニコニコ笑ってみる。
「98、99……」
100本目を立て終わり、わざとらしく額の汗を拭いた。
「いやぁ、遂に違う桁になっちゃったねぇ。まあ、昔から若輩者の僕とはある意味桁違いの貫禄を……」
僕らには『五歳』年齢に差がある。
年下の僕が、それをネタにしない訳がないだろう。
「うっさいわ。若い子が良けりゃそっち行け、このロリコン!」
「曾孫を可愛がっとるだけで、ロリコンじゃありませんよー」
結局いつもの阿呆なやりとり。
記念日くらいは仲良く、とか考えな……いや、うん。
これが僕らの幸せなのかもしれないな。
毎日仲が良くて、毎日喧嘩して。
記念日だっていつも通り、阿呆なやりとりして幸せを満喫してる。
天使さん、やっぱり僕らには『五歳差』が調度良いんだよ。
あの日の選択は、間違ってなかったよ。
だからこんな歳になっても、今日のこの日を幸せに感じられるんだ。
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