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春がそれを無言で受けとる。
「礼は?」
忘れてしまうほど慌てさせる理由をつくったのは角田じゃんと胸のなかで悪態をつくが、そこらへんの礼儀には律儀な春。
「ありがと」
「俺、そういう礼はいらないんだよね」
「は?…じゃあ、なにがいいわけ?」
「体」
「…ふざけんじゃ――んっ」
本日2回目。
いきなり角田にキスされる。
しかし、そのキスは先ほどの荒々しさはなく、ついばむような優しい口づけ。
意外な心地よさに春は目をつむる。
ゆっくりと角田が唇をはなす。
「ごちそーさん」
そう言う角田はいつもよりキレイでついつい、みとれてしまった。
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