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「喜べ、お前を俺の女にしてやる」
目の前の男は不敵に笑っている。
登校してきた生徒達で賑わう朝8時20分の昇降口。
一瞬にしてそこは静まり返り、生徒達の注目は全て私たちに向けられた。
その男は日本屈指の資産家の息子で、この学校の王様的存在。
一方私は特に目立つこともない普通の女子生徒。
だからって……
だからって……!
「ん?どうした?感動の余り声も出ないか?」
にやにやと嫌な笑みを浮かべながら男が私の顔を覗き込む。
私はやつの目を思い切り睨みつけて、声の限り叫んだ。
「冗談じゃない!」
誰がこんな不細工と付き合うかっ!!!!
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