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でももし私を覚えていないのなら。
恩も感じていないのなら。
余計にそこに自分の意思なんてない。
そんなのただの……
「……お前は俺のことを意思のないお坊ちゃんだと思ってるんだろ。親に恋人すら決めてもらうような」
「違うわけ!?」
気付けば私は叫んでいた。
生徒達の視線がこちらに集まる。
だけどそんなの気にもならなくて、私はただ仙崎だけを見ていた。
「違う!!俺は親の言いなりなんかじゃない!!!!親なんて関係ない!!!!」
仙崎が声を荒げる。
この私が言葉が出ない。
ただ、呆れていた。
これだけ親の権力を振りかざして生きているくせに、親なんて関係ないなんて台詞、よく吐ける。
所詮、仙崎は仙崎……
「少なくとも、お前のことは!!!!」
……はい?
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