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わーっという男子の声援と、きゃーっという女子の楽しそうな叫びが響く。
そんな歓声の中、私は呆然と立ち尽くしていた。
なんですか、なんですかこの急展開は。
確かに仙崎には告白されたが、好きだなんて言われたことがなかった。
むしろ私のことを本当に好きだとは思わなかった。
なんというか、予想外過ぎますよこりゃ。
「……おーい。深雪、大丈夫?」
秋穂の声ではっと我に返る。
気付けば全校生徒の目がこちらを向いていた。
「早く返事をしてあげなよ」と言わんばかりに。
そういえばこの企画はそういうものだったね。
いっそ、逃げ出してしまいたかった。
踵を返して、この場から走り去れればどんなに楽だろう。
でも、逃げるのは……性分に合わなさ過ぎる。
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