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ゆっくりと上を向き、口を開いた。
「ごめんなさーいっ!!!!」
「あぁ~っ」と周りから落胆の声。
本当だったらここでカーペンターズでも流れるのだろうが、私は気にせずそのまま続けた。
「ていうか!!手を回しただの、監視しただのあんたきもすぎ!!!!」
一気に凍る周りの空気。
仙崎の表情もひきつる。
みんなこの後の展開を予想しているのだろう。「やめてくれ」というオーラが出ている。
「深雪、ここは空気を読んで抑えたほうが……」
秋穂でさえ、私を宥めようとするが、私は止まらない。
「何が親は関係ないよ!何もできないお坊ちゃんのくせに!!大体なんで告白すんのにわざわざ全校生徒の前でするわけ!?この目立ちたがりっ!!」
空気がどんよりとしてきた。
テレビだったら絶対放送できない展開だ。
だけど、だけどさ。
「……まぁ、ね」
私だってそんな鬼じゃないのよ。
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