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「おはよう、仙崎の彼女」
教室に入るなり、級友の秋穂がやってきた。
彼女の表情はとても楽しそうで殺意を覚える。
「おはよう。そして頼むから死なせて」
「いやー。深雪すごかったらしいじゃん。仙崎にあんなこと言えるのあんたくらいでしょ。あたしも見たかったなぁ」
「死ぬなら雪山がいい。眠るように死ねるし腐らないから」
「あんたね……そのネガティブ癖やめたら?」
ネガティブにもなるさ。
これからの私は私でなく「仙崎に告られた女」というレッテルを貼られて生きてかなきゃいけないんだから。
私は普通の女の子だったはずだ。
深町深雪。華のJK(じょしこーせー)。
普通の中流家庭に育ち、第一志望の公立高校落ちたので、ハイソな人達が集まるこの私立高校に来てしまった。
運動神経は普通。頭は世間一般では良いが、高校内では普通。
今まで恋もそこそこしてきた。
強いて特徴を挙げるならちょっと毒舌なくらい。
それなのになんで私が……。
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