552人が本棚に入れています
本棚に追加
/336ページ
「本音をぶつけてくれたのは嬉しかった。自分のいいとこ、そんなに見てくれてた人がいるのも悪い気はしない」
なんだか照れるので、少しだけ俯いた。
だけどすぐにもう一度しっかりと屋上を見つめ、私は笑った。
仙崎に初めて笑顔を向けた気がする。
驚いた顔も不細工で、面白かった。
「付き合うのは無理だけど、友達くらいにならなってやってもいいかな」
その瞬間、誰が流したのか校内中のスピーカーからカーペンターズが流れた。
目を丸くしたまま固まった仙崎は、その音を聞きながら
ゆっくりと、倒れた。
最初のコメントを投稿しよう!