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「なんであたしはそんな面白いことが起こった日に遅刻するんだ!!」
秋穂が地団駄を踏む横で私は不機嫌さを隠せない。
秋穂は昼休みにやっと登校してくるなり、誰からか聞いた今朝の話を私に問い詰めた。
未開封のお弁当を手に私は溜息を吐いた。
「笑い事じゃないっつーの」
「いや、あたしは究極に面白いけど」
ほんとにこいつ私の親友か?
「でさ、結局深雪はどうしたわけ?」
「……そのままレッドカーペットの上爆走」
「あはははは!あんた最高!」
ゲラゲラと遠慮なく笑う。
まぁこの無神経さに救われたりイラついたりするわけだけどさ……。
「仙崎のやつ、次何してくれんのかな~♪」
「もうまじで勘弁して。いっそ異次元に飛ばされたい私」
もう一度大きく溜息。
こんな世界でデブに愛されるくらいならいっそ、剣と魔法の世界でファンタジーとかしたいわ、私。
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