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「いやぁぁぁあ!!来るな!しつこいのよ、このデブッ!!」
つい先日、私が仙崎を学校中追いかけ回したことは記憶に新しい。
「諦めないぞぉっ!!待てぇっ!!!!」
しかし現在私はその逆の立場にいる。
そう、仙崎に追われているのだ。
走っても走ってもついてくる、ドスドスという低い音。
ちらりと横目で振り返ると仙崎がこの世のものとは思えない形相で追いかけてくる。
「ひっ……」
小さく声をあげて加速する。
なんとしてでも逃げ切らなければ。
あの場所まで……。
右手に握られた包みがとても煩わしかった。
最早中身はグチャグチャであろうそれは、私のお弁当箱。
「お弁当をよこせぇぇぇっ!!深雪の卵焼きぃぃぃい!!」
私は、私のお弁当を奪取しようとする仙崎から逃げているのだ。
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