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パチンッ
小気味の良い音が響く。
仙崎が指を鳴らしたのだ。
ガタッ
その音を聞くなり、数人のクラスメイトが立ち上がった。
顔触れはどれも……うちのクラスで仙崎の息が掛かった奴らだ。
嫌な、予感がした。
「深雪が俺に弁当を作ってこないことくらい予想していたさ!しかし庶民なお前がうちの学食をそう利用するとも思えない。つまり、お前は自分の分の弁当は作ってくるはず。それならば……」
じわじわと仙崎の取り巻き達が私に迫ってくる。
「お前の分の弁当をいただくまでだ!」
仙崎の言葉を合図に、取り巻き達が私に襲い掛かった。
「くっ……」
1人を咄嗟に回避し、教室の扉のほうへ踵を返す。
しかし、既に1人出口の前に回りこんでいる。
それを見て足を止めた瞬間、残りの1人が私の弁当を掴みかかってきた。
やばい、捕られる……!!
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