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姿を捉えてから10秒も経たないうちに、1人が私のすぐ横に並んだ。
「君には恨みはないが、部費アップのためだ。悪く思わないでくれよっ」
そう言って私のほうに手を伸ばす。
今度こそ捕まる……!私はぎゅっと目を閉じた。
「深雪っ、伏せろ!!」
どこからか聞こえてきた声。
咄嗟にその場にしゃがみこんだ。
「ぐぁっ……」
ゆっくりと目を上げると周りには蹲る陸上部。
何が起きたのかわからず、目をぱちくりさせていると頭上から声がした。
「どうだ!俺様の殺人ラリアット!」
古臭いロン毛が腕を広げて立っていた。
それを見て、どう見ても高校生に見えない老け顔が溜息を吐く。
「ラリアットっていうかお前は手を伸ばしただけだろ」
目の前に立っていたのは、不良3人組。
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