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世の中の男子の8割は、
どうして先生という存在に
憧れを抱くのだろう?
そんな経験がまだ無い俺は
この場所で
それに気付くことができるのだろうか
trap.1
光という効果
「…ですから、新入生の皆さんは」
春。
新しいことが始まる季節と、人は位置づけている。
俺も新しいことを始める内の一人として、高等学校の入学式に参加していた。
希望の高校に入学し、気分は高まっていた。
が、
校長の話があまりに長い。長すぎる。
かれこれ30分は話し続けているだろう。
俺は冷たいパイプ椅子の上で、まだ名前も知らないクラスメイトの後頭部を眺めながら耐えていた。
何にって?
脳貧血。
この苦しみを知らない奴は、俺に「落ち着きのないやつだ」と平気で言ってくる。
殴り飛ばしたくなるのが常だが、脳貧血状態になった俺にそんな元気はない。
しかも昨日寝付きが悪かったせいで状態は更に悪化。
そろそろ限界が襲ってくるかもしれない。
「ねぇ、大丈夫?」
心地良い音程と、肩に触れる優しい手のひら。
声のした方を振り向いて、俺は後悔した。
「!」
気遣ってくれた人物の肩の向こうから、痛々しい程の日光が差し込んでいた。
その光が引き金となり、俺の視界は真っ白になった。
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