back stage

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高校を舞台にした今回のドラマ。 撮影は某所の私立高校を休みの間借りて行われることもしばしば。 第一話の光という効果も、体育館、保健室、保健室前と教室前の廊下を借りて行われた。 保健室の上階にある職員会議室を、役者、スタッフの控え室代わりに使っている。 「脳貧血ってどんな感じなんだ?俺わかんないよ…」 会議用に用意されている長机に、肘をついて頭を抱えているのは主人公桜野良也役の小野健斗。 今回のシーンにある脳貧血で倒れる演技について、色々と頭の中でイメージはしたものの、しっくりこないので悩んでいるようだ。 「健斗って貧血になったことないの?」 そんな小野に向かい側から声をかけたのは、今回小野と共演することになった矢吹彩子役の大崎薫子。 小野と大崎は一度同じ仕事をしたことがあり、仲が良い。 二人の仲の良さのおかげで、現場の雰囲気は和やかだ。 そんな二人だから、どちらかが演技に悩むと必ずもう一方が相談にのっている。 「ないんだよ。今まで一度もないー!…だから悩み中」 台本の上に覆い被さるようにして伸びてしまった小野を見て、大崎はコーヒーを啜りながら微笑んだ。 このやり取りを見ていると、さながら姉弟のようだと周りはいつも思う。 実際、小野も大崎を姉のように慕っていたし、大崎の方も出会ってからの日々の騒々しさに、弟ができたように感じていた。 「そういうルコさんはなったことあるの?脳貧血」 長机に顎を当てたまま、小野が言った。 小野は大崎を「ルコさん」と呼ぶ。 それは大崎がまだモデルを主として活動していた時に、小野と出会ったからだ。 去年あたりの女子大生向けファッション雑誌をめくれば、まだRUKOとして活動していた頃の大崎が載っているだろう。 「あたしは重度の低血で血の巡り最悪だからねー。脳貧血なんてもうクセみたいなもんよ…」 どこか遠い目をしながら、大崎は呟くように答えた。 小野はその言葉に目を輝かせながら食いついた。 「え、ウソ!?どんなのか教えて!!」 勢いよく頭を上げると、長机に両手をついて大崎の方に体を近づけた。
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