第1章

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次の日の朝、ボクは友達のネイチャの家に遊びに行きました。 ネイチャは歌が上手な女の子。 いつも綺麗な声を聞かせてくれます。 ネイチャの家は土の中、そこで妹と弟と三人で暮らしています。 ボクが 「ネイチャ遊ぼう。また綺麗な歌を唄ってよ。」 と言うと 「あら。よく来たわね。でも姉さんは、もう唄わないの。」 と、妹に言われました。 何だか、今日のネイチャは元気がないな。 ボクが 「どうして?」 と聞くと、今度は弟が 「病気になって、声がほとんど出ないんだ。きっともう治らないよ。」 と答えました。 「じゃあ、ボクがネイチャの喉に耳を当てるよ。それならどんなに小さな声も聞こえるから。」 そう言うとボクはネイチャを椅子に座らせて、ネイチャの喉にボクの耳を当てました。 ネイチャは少し不安そうに、歌を唄い初めました。
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