第1章

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ボクとパスは、やっと上まで登りました。 高い所の太い枝に座って、パスを隣におろします。 そこからパスと一緒に、沈んで行く夕日を見ました。 真っ赤な太陽はとても綺麗でした。 するとパスが隣で泣いています。 「どうしたの?パス大丈夫?」 と聞くと 「大丈夫だよ。」 とパスは答えます。 だけどボクは心配で 「何で泣いてるの?」 って聞きました。 するとパスはこう言いました。 「嬉しいんだよ。もう二度と木登は出来ないと思ってたのに、お前がここまで運んでくれた。その気持ちが嬉しいんだよ。」 パスはまだ泣いています。 更にパスは言いました。 「ありがとうな。本当にありがとうな。」 ボクはキョトンとして答えました。 「パスとボクは友達だもん。当たり前じゃないか。」 ボクの言葉を聞いて、パスはまたわんわん泣きました。 ボクはパスと一緒に見たその夕日と、パスの泣き顔を忘れないと思います。
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