第1章

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次の日の昼、ボクは友達のイミッジの家に遊びに行きました。 イミッジは絵を描くのが上手で、いつもたくさんの絵を描いてくれます。 イミッジの家は土管の中、そこで二人のお兄さんと一緒に三人で暮らしています。 ボクが 「イミッジ遊ぼう。また上手な絵を描いてよ。」 と言うと 「やあ。よく来たね。でももう僕は絵は描けないよ。」 と言われました。 イミッジはいつでも゛いいよ゛って答えるのに、何でだろう。 ボクが 「どうして?」 と聞くと、イミッジは 「2日前に流れ弾に当たったからだよ。腕が少しも上がらないんだ。」 と答えました。 「じゃあボクがその腕を支えてあげるよ。」 そう言うとボクは外から大きな木の板をもって来て、イミッジの前に置き筆を握らせました。 そしてイミッジの右隣に座って、上がらない腕を木の板の上で持ってあげます。 イミッジは震える手でゆっくりと絵を描いていきました。
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