389人が本棚に入れています
本棚に追加
彼女は苦笑を浮かべた。
息こそ上がっていないものの、身体は彼女の、その人並み外れた力についていけてなかった。
『ククッ、面白いなお前ら』
「∑∑誰だ?!」
ガサガサッ―
『よぉ童。あん時は鼻垂らして泣いてやがったのに、今じゃずいぶん偉そうにしやがって』
「∑―ッ?!…その目!お前、まさか異国の者か?!」
『ブッブー、異国人ならこうやって言葉が伝わるわきゃねぇべ。…馬鹿か?お前は』
二人の目の前に突然現れたのは、綺麗で中性的な顔をした『人』だった。
髪は漆黒で瞳は翠。口はとんでもなく悪いが、えくぼの浮かんだ笑みは、どこまでも優しかった。
最初のコメントを投稿しよう!