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杢との出会いが、彼女にとある変化をもたらした。
…そう。
その日から、彼女には『普通の人なら見えない者』がはっきりと見え始めたのだ。
「杢ーーー!!」
『なんだそんなに慌てて。どうかしたの…∑ッ!』
タンッ―
『…すでに死せる魎[モノノケ]、忌まわしき怨情をはらいて天へと昇れッ』
シュウゥゥゥゥ―
「ハァ、助かった…」
『ったく…悪霊に魅入られてどうすんなぁず馬鹿』
「見えるんだもん…しょうがないじゃん…」
『…まぁ、俺のせいでもあるんだがな。すまん』
彼女がよく遊んでいた山の、山神である杢に触れられたせいで、彼女は『見える』ようになってしまった。
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