決意

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夜風に当たり、彼女は一人考えていた。   ――忍になれば、今まで以上に父様に逢えなくなる ――忍になれば、もっと母様の傍に居られるのかも ――忍って…何? 「…母様ァ」   まだまだ少女だった彼女にとって、『忍とは何か』などというのは、あまり深くは考えられないモノだった。   パキッ― 『…こんな夜更けにお参りか?』 「…その声を聞くのは、ずいぶんと久しいな」 『お前、またずいぶんと老け込んだなァ……東雲』 「まぁわしは人間じゃからな……杢蔵、貴様とは違うわい」 『ちっ、相変わらず減らず口たたきやがって』 「はっ、貴様こそ相変わらずじゃな」
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