幼き日

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タンッ― 「……遅かったな」 「∑誰だ?!」 「…芳、刀をしまえ」 「―ッ!文四郎さま!?」   任務を終え屋敷へ戻る途中、お芳は文四郎に再会した。   「文四郎さま、どうなさったのですか?!」 「…千に会いたくなってな」 「そうでしたか」 ザリッ― 「…文四郎さま?」 「…お前、人を斬ったな」   ただ哀しそうに微笑む彼女を抱き寄せ、二人はつかの間の再会の喜びを噛み締めた。   「……もう行かなくては」 「そうだな…ぁ、そうだ。芳に頼みたいことがあるんだが、引き受けてはくれぬか?」 「私に出来ることでしょうか?」   文四郎はお芳に、昼間にあったことを話した。
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