幼き日

8/11
前へ
/140ページ
次へ
「――というわけだ」 「口減らしなんて…」 「俺にはどうしてやることも出来ぬが、東雲殿ならなんとかしてやれると思うのだ。だから芳、お前にも…」 「言いたいことは解りました。私からもお館さまに「頼むな?」 「…はぃ」   その頃、千は祥の傍に居た。 祥を連れて帰ったあと、彼女は東雲のところに走っていった。   バタバタバタ― 「御祖父様ー!!」 「千か…」 「会わせたい子がいるの。…お願い、会ってあげて」 「ふむ…。それは山にいた捨て子のことか?」 「∑どうしてわかったの?!」 「忍を侮るでないぞ?」   彼女は微笑んで、東雲の手をひいて祥のところに向かった。
/140ページ

最初のコメントを投稿しよう!

389人が本棚に入れています
本棚に追加