389人が本棚に入れています
本棚に追加
ガタッ―
「何をしておる」
「∑ヒッ…ぁ…」
「逃げなくていいんだよ?ここにいる人達は、優しい人ばかりだから」
「…千の言う通りじゃ。少なくとも、こやつの傍におれば、誰も悪いようにはせん」
祥と東雲が話している間、彼女は一人母親が帰ってくるのを待っていた。
日が暮れ、月が顔を出し始めた頃、彼女の母親は戻ってきた。
「ただいま戻りました」
「入れ」
スッ―
「…抜かり無くやったか?」
「はぃ…」
「なら良い。下がれ」
「…お館さま」
「ふむ、童のことか?そのことなら、わしもあるのだがな。…あの男に会ったのか?」
「はい。ここへ戻る途中、お会いいたしました」
最初のコメントを投稿しよう!