不思議な帰り

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山口智博(やまぐちともひろ)は 電車に ゆられていた 学校の 帰りだった 智博は 高校一年生だ 辺りは もう 暗くなっていた この 車両には 智博以外 誰も 乗っていない この時間 一車両に 誰も 乗っていないことは めずらしい ことではなかった 御花畑駅で ほとんどが おりてしまう 電車の 音だけが ガタン ゴトン と聞こえている ″次は 浦山口 浦山口です″ アナウンスが ながれた 目の前の 窓ガラスに 智博の 眠そうな 顔が 映っている ″キィーーーーー″ 浦山口駅に 電車が止まった !!!?? 「あれ!?」 智博の 眠気が ぶっとんだ 駅の ホームに 自分そっくりの人が 立っているのだ 体格も そっくりだ ″プシューーー″ドアが開いた その人は ニヤリ と不気味な 笑みを みせた 智博は 口を ぽかんと あけている ″プシューーー″ドアが閉まり 電車が はしりだした その人を 智博は 目でおったが すぐに みえなくなった 智博は まだ あいた口が とじていない あいた口を とじ 智博は 考えだした なんだ あいつは 俺が 寝ぼけてただけか? いや しかし 確かに みた 疲れているんだろうか 確かに 智博は 疲れを 感じていた 電車が スピードを 落としていく 次の駅に つくのだ 窓ガラスの 向こうに 小林良平(こばやしりょうへい)の家が見える 良平も 高一で 同級生だ 同じ 高校に 通っている 智博の 頭の中に 良平が 話していたことが よぎった ドッペルゲンガーという もう一人の自分が 現れるという 現象について よく しゃべっていた 「まさかなぁ」 智博は 苦笑いした 武州中川駅に 電車が 止まった 智博が おりる駅は 次の駅だ 智博は 不思議で変な 気持ちだった 武州日野駅に ついた 智博は 電車を おりて 自転車に のり 家まで帰った 風呂にはいり 夕食を たべたら 疲れていたのか 布団にはいり すぐに 眠ってしまった
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