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それならお守りに何か手がかりがあるかもしれないと考え手に取ると、いつの間にか自分は異空間に飛ばされていた。
そしてそこに居たのが「戦士」の土屋亮介と「魔法使い」の松沢由美、「僧侶」の中川裕子だった。
角刈りで細い目に四角い顔、気をつけが出来なさそうな見事な筋肉を持つ亮介は、作業着に安全ヘルメットという服装。
「能力」は岩をも素手で砕く、人並み外れたパワー。
由美は少し茶色がかったショートヘアー、眼鏡の奥の大きな瞳と小さな唇、体格や背丈も比較的小さな造りである。服装はお洒落なピンクのジャージ上下。
「能力」は魔法。火・水・土・風の力を借りて何かを操ったり破壊出来るそうだ。
最後に裕子。
服装が非常に高そうな黒いワンピースだったせいもあるのか、自分は、いや、他2人もそうかもしれないがすぐに気付いた。
「もしかして、ゆこたん?」
別に知り合いな訳ではない。
「ゆこたん」はニックネームで、オタク文化に造詣が深いことで有名な、最近人気急上昇中のアイドル中川裕子。
愛らしいキャラクターで歌も上手く、ファンとまではいかなくても好きな芸能人の1人・・・だった。
この時までは。
「ゆこたんとか呼ばないでくんない?キモイ」
「・・・」
一瞬耳を疑った。
多少トーンは低いが、声は正にそのもの。しかし、彼女特有の言葉も無く、流暢な標準語での罵り。
最初のこのやりとりで、自分は打ちひしがれた。
そして、大体のことを悟った。テレビや雑誌ではコスプレを度々しているが、あれも仕事の上だからなんだろうなあ、と。
長い黒髪に大きな瞳と小さな顔、身体は細いが出るとこはしっかり出ている。服装は若干フリルの付いた黒いワンピースにネックレスやイヤリングを付けて、極め付けは先の尖ったこちらも黒のヒール。
ここに何をしに来たんだろうという感じだ。
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