第一章 再会

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現在、心と京は自分たちの部屋を掃除中だ。 寒くて手がかじかんでしまう。 刺すような水の痛みだが、我慢出来る。 隊士たちはいつも感謝してくれるのだ。 ただの女中、とは扱わず、まるで家族のように。 両親の居ない心は嬉しかった。 もっとも、失ったのは彼らの仲間の誰かのせいなのだが。 心が机の下を掃除しようと覗いたとき、耳元で音がした。 それは、折り畳まれた小さな紙だった。 首を捻りながら開けてみて… 「ああっ!!」 思わず叫んでしまった。 「心ちゃん!?」 驚いている京に、心も驚いた顔を向けた。 心の紙を持つ手は震えている。 「友達との約束…忘れてました!」 焦っている心を宥め、京は言った。 「今からその友達のとこに行きぃ!掃除はやっとくし、土方さんにも言うとくから」 「ありがとうございます!」 心は返事をすると同時に走って行った。 「お、心どないしたん?」 「こんにちは。丞さん、酒井さん」 廊下で、心は山崎と酒井兵庫に会った。 酒井兵庫は会計方の隊士である。 酒井と山崎丞は同じ大阪出身だからか、仲が良い。 二人が一緒に居るのは、京と山崎が一緒に居るのと同じぐらい見掛ける。 心は二人に挨拶をすると、足早に街へと出ていった。
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