#0 prologue

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気持ちいいくらいによく晴れた日曜日。 それは京子にとって、1週間に1度楽しめるか否か、といった、凄く貴重な日だ。 普段から楽天家で、物事を楽しい方へ捉えられる京子だが、この日曜を楽しめるかどうかで、月曜日の機嫌はやや左右される。 少なくとも、雨の日曜の翌日の月曜と、晴の日曜の翌日の月曜とでは、少しばかり違うのだ。テンションが。 「よっし!今日も洗濯日和!」 床に下ろしていた洗濯籠を両腕で持ち上げ機嫌良くそう声に出すと、京子は、ベランダまでの短い距離を、バレエを真似た様な、妙なステップで駆け抜けた。 くるりと1回転してから、開けっ放しの入口からベランダへと下りる。 ピンクのゴム製のスリッパを足に引っ掛けてから、ベランダに取り付けられているクーラーの室外機の上に洗濯籠を乗せて、もう1度、伸び。
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