#0 prologue

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 しかし、是非その侭死ね!なんて叫びそうな強気な友人が思い浮かんで、京子は再び顔を引き締めた。 今日こそは言い込めてやる、なんて、妙な気合いを入れて。 「あ・の・ね。  洗濯物は濡れてるでしょ。  濡れてる物は煙草の臭いがつきやすいんですっ!」  叫んだ。 すると、きょとん、とした顔の須々木は、 「だから?」 と、一言。  きぃーーーーっ!!! と、ハンカチを引き千切らん勢いで噛み締めながら、足を踏み鳴らしたくなった。 昨日観た昼メロドラマの影響だ。 ドラマでは、この泥棒猫!!と叫ぶのだが、京子はそんな捨て台詞を飲み込んで、須々木を睨み付けた。
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