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「わたし、非喫煙者です! しかも女!」
語気が、強くなる。
自分が興奮しているのを感じながらも、京子は、半ば必死になって、そう伝えた。
「うん」
「だから、煙草の臭いがつくの、嫌なんですっ」
「あー、そっか」
ふむふむ、と頷いた須々木の様子を見て、京子は、今まで騒いでいた胸が少し落ち着くのを、感じた。
少しは、自分の気持ちを理解して貰えただろうか。
京子は、空いている方の手で顎先を撫でている須々木を見遣りながら、そう考えていた。
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