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キリエは届かなかった『レヴィアタン』の刃を一瞬見たが、それに対し何の感情も起きない。
それはキリエ自身にとっても強力な魔法で、昨日は五人の生徒を沈黙させた程の魔法なのだが、今は何の役にもたたなかった。
基本的な性能が違いすぎるのだ。
魔法のではない。使い手の性能がだ。
これが、天才。それが才能。
西条キリエも、魔法の才能がある。それは戦闘に関していっても他の生徒と比べても高い。
だが、スズメは別だ。
そもそも、通常の生徒とは比較すらできない。彼女は絶対であり、それは覆らない。
それを、キリエは感じていた。
(でも、それはアキラ君だって同じだったはずだ)
そこで、彼女の思考対象はアキラへと向かう。
キリエの感じている絶望。それはアキラは一体どんな時に感じているのだろう。
(そんなの、決まってる)
アキラは、日常的に感じているのだろう。
彼には魔法の才能がない。どんなことをやっても成功しない。それは彼自身一番知っている。
だが、そこで疑問が生まれる。
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