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七夕祭まで一日を切った。
「愬夜さん!」
中庭を歩いていると誰かに呼び止められた。
「…はい?…あ!会長!?どうしたんですか!!」
「愬夜さんにこれを渡したかったんですよ」
渡された物はピンクに可愛らしいデザインの短冊の紙とピンクのリボンが渡された。
「あの…これは?」
「あなたのために作りましたのよ!これを使ってくださいな♪」
笑顔満々で渡された。そしてその笑顔が悪魔になる瞬間を愬夜は見た。
「ただし!!その紙に書く願い事は恋や恋愛物としますわ♪必ず書くこと(ニコッ)会長命令ね!それでは」
言い終わると嵐の如く会長は去って行った…
「…そんな…どうしよう…」
その頃颯太は町を歩いていた。
「あれ?水谷君?」
「うん?…もしかして咲枝ちゃん?」
「やっぱり水谷君だ♪今日は珍しいわね」
「愬夜は何かあったのか悩みっぱなしでさ!今日は一人なわけだ」
それを聞いた咲枝はニヤツいた。
「多分それは…」
会長と手を組んで、愬夜の恋を目覚めさせようとしている事を話した。
「…それでか…愬夜は恋をしたことあるんだけどな、初恋だけど」
「えー!!」
初恋の話を話し始めた。
「小学校三年生の時、よく母校に遊びに来る中三のある一人に、愬夜は恋をした。そして告白をしようと決めた日辺りから、中三の人達は遊びに来なくなって…その理由が、愬夜の好きな奴が交通事故で亡くなったらしいんだよ」
「嘘…そんな事が…」
「それから恋も恋愛もしてないんだ。だから愬夜短冊書くの大変だろうな」
咲枝の足が止まった。
「水谷君は…愬夜の事実は…」
「好きだ!ずっと前からの片思いだけど、言ったら愬夜は困るし、笑顔が消えるから…今のままの愬夜を守りたいからいいんだ言わなくて」
それを聞いた咲枝は、顔が赤くなっていた。
「(自分の事じゃないのに赤くなるなんて)優しいのね…水谷君って素敵な人だわ!じゃ私道こっちなのそれじゃね」
「それじゃ」
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