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「さつきー」
親友の真理が私を呼ぶ。
「さつきってば」
真理は、机の上でぐてぇーとする私の前に立ち、顔を覗き込んできた。目がパチクリする。
「もう、起きてんじゃん!ちゃんと返事してよ」
真理は眉間にしわを寄せて、私のおでこをつっついた。
「寝てると思ったよ」
ん~、とよく分からない返事して、
「私も」
真理は、私のおでこをコツンッと指ではじいてから、「あんたが分からなかったら、誰がさつきの事を理解するの?」
神様?と、存在自体を信じていないのに、考えが横切り、なわけない、と頭の中で否定する。
「私、疲れたから代わりに真理が理解してくれない?」
冗談でもあり、本音でもある。私は真理が、「何言ってるの」と言う前に「嘘だよ」と言った。
「……大丈夫?」
「何が?」
真理は少し考えてから、よし、と言うと。
真理は少し考えてから、よし、と言い「一緒にどっか行こ」と発言。
明るげに私の手をとる真理に、私は少し不安になった。
「どうしたの?いきなり」
人に、まともに話しかけるのは久しぶりだ。
「いや~、なんとなくね」曖昧な返事に、ますます不安が募る。
真理が何を考えているのか考えようとするのだけど、頭がボーとするだけで、何も浮かばない。うーん。
数秒後には「何か、考えるのダルいなぁ」と思い始めた。
そして、考えるのがめんどくさくなり、断わる理由も見付からなかった私は「行くよ」と、妥協。
それを聞いた真理は嬉しそうに「ほんと!?じゃあさ……」と話し始めた。
あまりに嬉しそうだから、不純な動機からの罪悪感を感じ、断れなくなった私は真理の言うがままになった。
翌日、真理と私は駅前に行った。
駅前にある映画館は、見た目は古かったけど中は綺麗で映画もひまつぶしにはなったし、その後駅ビルの中で買い物をしたりと、色々なことで私達は時間を潰した。
ファーストフードのお店で真理と食べている時、。
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