第一章

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おばあちゃんは、コタツに入ってお茶をすすりながら微笑む。 「さっちゃんと同じように」 眠い私は、もう、と言って。 「おばあちゃん、私よりお母さんの方が血が近いでしょ」 「そんな事無いわよ」 おばあちゃんがお茶をすする。 「ある」 私は、眠気と戦っていた。  おばあちゃんは、何かと私の行動を見ては「似てる」と、言ってくる。 「カクセイなんとかって言うのが……」 「ある!」  話すのがダルい。学校 「無いの」 「あるの!!」  私はそう言って、コタツと部屋から出ていってしまった。 あの時は眠気のせいでイライラしてて、ダルくって、おばあちゃんと話したくなかった。それから何となく気まずい私は、しばらくおばあちゃんとは話していない。おばあちゃんも、私の家にあそびに来なかった。 それから九ヶ月が経った。  私は一年前より、格段とめんどくさがり屋になり、日々その勢いは増して、私の生活はだらけきっていった。  私は転がっている日記を引き寄せ、頭にしく。 ちょっと痛い。けど、枕を取りに行くのはダルい。キッチンのタオルを取りに行くのも、めんどくさい。日記をつけるのも、明日でいいや。  いつも、こんな感じ。 目をつぶると強烈な眠気に襲われ、私は難無く夢の世界に旅だった。 ……スゴイ! 私の体が浮いている。 私、空飛んでる!!  うわぁー。家がこんなに小さく見える。あっ、私の家だ。 ふわふわ~。あっ!お母さん!!おーい。 ふわふわ~。あっ、バカ志だ。お前はあっち行け。 ふわふ……。 ごつっと、頭に激痛が走った。 ……痛っ。 目の前がいきなり暗くなる。ブラックアウト? 「いつっ!」 ──私の声じゃない。  寝ていた私の頭を誰か蹴ったみたい。楽しい世界から、厳しい現実へ一気に落されてしまった。  う~……。 私は少しの間激痛に頭を押さえ、うずこまる。 うぅ、痛い……。 やっと痛みが引き始めた時、私は蹴られた頭をさすりながら涙目で怒りの矛先を探した。 明かりが消され、暗くなった部屋の中、あっ、テレビ。誰かに消してもらったんだ……じゃなくて、カーテンが閉められていない窓から月明かりが差し込み、部屋をほのかに照らしていた。 頭のすぐ上で、誰か跳び跳ねている。なんとなく輪郭で分かった。弟だ。……こんにゃろ。
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