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おばあちゃんは、コタツに入ってお茶をすすりながら微笑む。
「さっちゃんと同じように」
眠い私は、もう、と言って。
「おばあちゃん、私よりお母さんの方が血が近いでしょ」
「そんな事無いわよ」
おばあちゃんがお茶をすする。
「ある」
私は、眠気と戦っていた。
おばあちゃんは、何かと私の行動を見ては「似てる」と、言ってくる。
「カクセイなんとかって言うのが……」
「ある!」
話すのがダルい。学校
「無いの」
「あるの!!」
私はそう言って、コタツと部屋から出ていってしまった。
あの時は眠気のせいでイライラしてて、ダルくって、おばあちゃんと話したくなかった。それから何となく気まずい私は、しばらくおばあちゃんとは話していない。おばあちゃんも、私の家にあそびに来なかった。
それから九ヶ月が経った。
私は一年前より、格段とめんどくさがり屋になり、日々その勢いは増して、私の生活はだらけきっていった。
私は転がっている日記を引き寄せ、頭にしく。
ちょっと痛い。けど、枕を取りに行くのはダルい。キッチンのタオルを取りに行くのも、めんどくさい。日記をつけるのも、明日でいいや。
いつも、こんな感じ。
目をつぶると強烈な眠気に襲われ、私は難無く夢の世界に旅だった。
……スゴイ!
私の体が浮いている。
私、空飛んでる!!
うわぁー。家がこんなに小さく見える。あっ、私の家だ。
ふわふわ~。あっ!お母さん!!おーい。
ふわふわ~。あっ、バカ志だ。お前はあっち行け。
ふわふ……。
ごつっと、頭に激痛が走った。
……痛っ。
目の前がいきなり暗くなる。ブラックアウト?
「いつっ!」
──私の声じゃない。
寝ていた私の頭を誰か蹴ったみたい。楽しい世界から、厳しい現実へ一気に落されてしまった。
う~……。
私は少しの間激痛に頭を押さえ、うずこまる。
うぅ、痛い……。
やっと痛みが引き始めた時、私は蹴られた頭をさすりながら涙目で怒りの矛先を探した。
明かりが消され、暗くなった部屋の中、あっ、テレビ。誰かに消してもらったんだ……じゃなくて、カーテンが閉められていない窓から月明かりが差し込み、部屋をほのかに照らしていた。
頭のすぐ上で、誰か跳び跳ねている。なんとなく輪郭で分かった。弟だ。……こんにゃろ。
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