~始~

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オオーンと後方から獣の咆哮が聞こえ、ハッと振り向いた瞬間… ズシャッ―― 柔らかい雪に足を捕られ、真っ逆さまに谷の亀裂へと墜ちていく。 走るのでさえ困難だった鎗明は、抵抗さえできずに呟いた。 『申し訳ありません…主の命を果たせませんでした……』 最後にあがいてみるも、その四肢は虚しく空を切り、鎗明は暗闇に飲み込まれて行った。
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