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ツンツンに尖らせた短髪は、冗談のように深い藍色に染まり、若々しさを感じさせる顔には、薄い茶色のサングラス。
派手なドクロのTシャツに黒の革パン、黒の革ジャンを羽織り、首からは金色の鎖をぶら下げていた。
まるでどこかのライブ会場から、そのまま抜け出してきたかのような風貌。
しかし、その肉体は、服の上からでも、無駄な筋肉のない、バランスの取れたものであることが窺える。
そして男の手の中にあるのは、ギターなどではなく、鉄球の繋がれた鎖だった。
コンクリートにめり込んだ鉄球。地面の破損具合から判断して、その重さは優に300㎏を越えている。
それを―――
「っ、らぁ!!」
青髪の男は、鎖を使って軽々引き寄せると、手首のスナップだけを利用し、自身の頭上を中心に振り回し始めた。
獣のように唸る風切り音。
長い鎖と重い鉄球が、凄まじい速度のために残像を描く。
「サッサと……くたばれっ!!」
苛立たしげな咆哮と共に放たれる、必殺の一撃。
見事、地面に着地した人影に向かう黒い魔弾が、視認できるかどうかすら危ういほどの勢いで襲い掛かる。
しかし―――鉄球の進行方向にいる、細いシルエットは、落ち着いた様子でその軌道を見切り、間一髪のタイミングで回避した。
だが、攻撃はそれで終わりではない。
青髪の男は、すかさず手元の鎖を動かし、更なる追撃を叩き込む。
己が得物を巧みに操り、目まぐるしい猛攻を繰り出していく。
大気を揺るがす轟音、巻き上がる粉塵。
絶え間なく繰り出される鉄球の連撃。
その一つ一つが、標的を的確に追い詰めていく。
重さ300㎏以上の武器を自在に操るその筋力と手さばきは、最早人間の成せる業ではなかった。
当然である。
青髪の男は人間などではない。
とある目的のため、異世界“シティ”からやってきた、狩人という戦闘種族なのだから。
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