Prologue

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逃げ込んだ手術室。 狂ったように笑う男の声。 血だまりの中に、倒れ伏す妹。 『おにいちゃん、どこ…?痛い…いたいよぉ』って、苦しそうに泣いている。 助けを求めるように、僕へ手を伸ばそうとして………その小さな白い手が、力無く床に落ちた。 これからも、たくさん遊ぶって約束したのに。 一緒に遊園地へ行くって約束したのに。 絶対に守り抜いてみせるって……約束、したのに…。 結局、何もできなかった。 大切な妹を、守ってあげることができなかった。 どうしようもなく無力だった。 僕は 最低のウソツキだった 何かが 弾けた    
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