Chapter1

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華麗にチェックメイト宣言。 決まった。 これは決まった。 確実に決まった。 文句なしにイケたセリフである。 ヒーローってのは、やはりカッコイい決めゼリフが必須条件であることを、彼は改めて自覚する。 最後の一撃を投擲するべく、青髪の狩人は鎖を握る手に力を込め―――― 「―――ってオイ、マジか!?」 驚愕する。 視界の端、コンクリートの砕かれた歩道。 そこに、人間の女性らしき人影が、こちらを見て呆然と立ち尽くしているのが映った。 …そして、同じく彼女を見つけたあの光喰らいが、次にどのような行動に移るのかを、瞬時に理解する。 「チィっ!!」 反射的に鎖を操作し進路を変更、女性の方へ鉄球を放り投げる。 予測通り、奴は手の中の得物を、同じように女性へ投擲していた。 鋭い金属音と共に、火花が散る。 黒い鉄球が、女性を貫かんとする鋭い長槍を、すんでのところで弾き飛ばしたのだ。 まさに危機一髪である。 「本っっっ当にクソ野郎だな‥テメェ」 憤怒と軽蔑の眼差しを向けた先には、しかし、既にその光喰らいの姿はなく、橋の遥か向こう側から、遠ざかっていく靴音が辛うじて聞こえてくるだけだった。 「………クソったれ…どこまでイケてねぇんだよ……」 またしても、まんまと逃げられてしまった。 気絶してしまったらしい女性に駆け寄りながら、忌々しい光喰らいへ悪態をつく。 ああすれば、自分が確実に人間を庇う事を計算していたのだ。 どこまでも腹立たしい奴だった。
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