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「遊園地?遊園地って、このテレビに映ってるやつ?」
僕が聞き返すと、蜜柑ちゃんは首が折れそうなくらい激しく頷いた。
長く艶やかな黒髪が、ベッドの上でサラサラと揺れる。
「そうなの、“だぶるでーと”なの!」
「い、いや、それダブルデート違うから蜜柑ちゃん!?」
何やら勘違いしている黒髪の少女。
微妙に違う…というより、それはむしろ二股というのでは…?
マテ、それ以前に………護さんが同行するオプション付きなんて絶対にイヤだ!
三人で観覧車なんかに乗った日には、窓から僕を突き落として、あの狭い密室の中に二人きりとかやりかねない…いや、やる!護さんなら確実にやる!
いくら銃弾浴びて生きてる僕でも、巨大観覧車のてっぺんから落ちれば即死だ。
あの世直通の観覧車になんて乗りたくない!
それに、こんな幼い女の子とは言え、デートしたなんて事が美鈴や奈央に知られれば、どうなるか分かったもんじゃない。
特大プリンや緑色シチューの持て成しが、丁重に振る舞われることになるだろう。因みに、強制イベントで。
「み、蜜柑ちゃん?デートっていうのは、やっぱり二人きりで行くから、いいんだと思うな?」
「…そう、なの?」
僕の説明(死亡フラグ回避行為)に、不思議そうに小首を傾げる蜜柑ちゃん。
よしよし、素直でいい子だ。
「うん、そうだよ。だから元気になったら、護さんと一緒に行くのがいいと思うな」
「むむぅ……世の中って、フクザツなの…」
整った眉を悩ましげに寄せながら、色白な小さい腕を組む蜜柑ちゃん。
どうやら納得してくれたらしい。
汚れなき純粋無垢な少女へ、僕は肯定の意を込めて深く頷いた。
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