Chapter1

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「ん…生きてるか、祐」 「あ!センパイのほっぺ切れてねぇか!?任せろ、オレがキスして…」 「タスク…この、プリン、……………いい?」 「む、賞味期限はしっかり確認するのだぞ?我も昔、恐ろしい食中毒に…」 かなり適当な心配をする鼻ピアス、意味不明な理由でキスを迫ってくるピンク色の後輩、僕をそっちのけで冷蔵庫を物色する金髪少女と黒髪の幼女…もといババア。 もはや見舞いに来たんだか遊びに来たんだか、多分アインシュタインの頭脳でも解明不能なこの状況。 お願いします神様。 どうかこの正直者に今一度、安息という名の入院生活を与えてくださいませ……。 迫り来る硝霞の顔を押しのけながら、僕は心の底から願った。 ……が、白い髭の神様に『ワシには無理じゃ♪』と、にこやかに告げられたような気がした。 脳内で逆立ち歩きを始めた神様を殴り飛ばし、深淵よりも更に深い溜め息を尽きつつ、窓の外をぼんやり眺める僕。 僅かに開けられた隙間からは、湿っぽい土の匂いと、むわむわした湿気が流れ込んできている。 どんよりとグレーの雲に覆われた空からは、ポツリポツリと雨が降り始めていた。 今日の日付は6月22日。 聾申さんたちとの戦い……そして、僕が此処の病院に入院してから、早くも1ヶ月が経過していた。  
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