第一章 始まり

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一月十日。今日は快晴である。気温は七度と低いが陽の光りが暖かく感じる。 上野駅にはまだ通勤時間の為か乗客が多く、サラリーマン達が押し合いながらホームに溢れている!もちろん電車も満員である。 そんな光景を横目に見ながら駅の構内にある喫茶店に腰を下ろしてる青年が居る。 名前は金子雅也(26才)、職業は現在無職の自称旅人だ。 金子は去年まで法外な金利で、金を貸付け問題になったサラ金Kで働いていた。辞めたのは周りの目もあったがこのままだといずれ捕まると思い辞めたのが性格であろう。 働いたのは五年間、給料は中々高くまだ若いが贅沢な一人暮らしをしていた。 辞めた後しばらくは、何もせず家で寝転びレンタルしたDVDを見ながらダラダラした生活をしていた。年が明け、思い切って借りてた部屋を引き払い家具を処分して、ボストンバッグ一つで旅に出たのだ。中身は簡単な着替えと下着だけだ。あいにく金子はケチな性格もあり貯金は二百万ほどあるのでこの先しばらくは困らないだろう。 喫茶店で窓際に座ってる金子はコーヒーを飲みながら人の群れを眺めている。この後の予定もなく時の過ぎるのを待った。
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