先輩の妹

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「…よく…意味が…」 わからないんですけども。 そしたら先輩は。 ああ、って呟いて。 「……このスーパーで同じ学校の子に会ったの、佐々木さんが初めてなんだ」 「へ…」 「でも佐々木さんで良かった」 「せんぱ、」 「…だって… 佐々木さんは言いふらしたりしないもんね?」 ギュッと込められる力。 …なんか、思いっ切り抱きしめられちゃってるみたい…。 やだ…なんか 先輩、イイ匂いするし… 声、凄い… 優しくて…低くて… 「…いい、ふらす…?」 「…前ね、違う店で同じクラスの子に会って… その子が学校中に俺とその店で会ったとか言いふらしてさ。 …次に店に行ったときは 至る所に学校の子達が徘徊してたんだ」 「…ぁ…」 怖いですね。 って。 普通の感想を言おうとしたのに。 先輩の唇が、一瞬だけ、 ほっぺに当たった。 ちゃんと… チュって音もした。 「…佐々木さん、二人だけのヒミツね?」 「……はぃ……」 …色仕掛け? …先輩って、怖い… 色んな意味で。 …先輩の妹も相当恐ろしいけどね。 違う意味で。  
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