第二幕…激昂、月光、吠えて

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『――…起きろ――』 (……え…?) どのくらい気を失っていたのだろうか――もしかしたら一瞬の事だったのかもしれない。シンは、頭に響いてくる声に目覚めた。 半分寝ているような体のだるさだ。シンはゆっくりとまぶたをあげた。 (!! なんだこれ…鎖…!?) 四肢にはめられた、冷たくて太い鎖の先は、白い空間に吸い込まれて終わりが見えない。 あの夢のようだ――そう思っていると、後ろから声がした。 「――だから早く始末すれば良かったのだ」 「そォだぜ~成長し過ぎィ。だぁれが片付けっと思ってんのォ?」 (何の話をしてるんだ…) 思ったように声が出ない…口を塞がれているわけではないのに。 「貴方はただ、面倒屋さんなだけでしょう?」 「違うッてェ~」 「…今から消せば問題なかろう…何をそんなに焦っておる…?」 「不確定要素は、"何が起きるかわからない"という意味、忘れた訳ではあるまい」 「では…」 男の子供のような声に続き、がつんっ!!と、何かを床に叩きつける音がした。 「全消去だ。 水本シンを、この世から消せ」
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