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…いや、それより今は現状から脱出しよう。
僕は僕を抱いている張本人を起こすべく話しかけた。
「おい雅親、起きろ」
「…ん、………ゆーちゃん?」
「~ッ!/////
と、とっとと腕を放せ!」
雅親は下方を見るなりどう状況を理解したのか、ニヤリと笑みを浮かべ
「いや」
と言った。
「…は?」
まったく予想外の返答だった。
いつもの雅親であれば、「うわ、ごめん!」とでも言ってすぐに離れるはずなのに。
…もしかして…もしかしなくても酔ってらっしゃる?
「ま、雅親!?じじじ冗談はほどほどにしとけよ!?」
「やーv」
語尾に「はーと」をつけるな!
生憎僕の長刀は手元には無く、肩に仕込んである筈の短刀も手入れの為ダイニングのテーブルの上だ。
「雅親!放せ!はっ!なっ!せっ!」
ジタバタと暴れる僕の抵抗も虚しく、むしろ腰に回された腕の力がより強くなる。
「雅親!貴様酔ってるからって、やって良い事と悪い事ぐらい…んむ!?」
僕の台詞は途中で雅親の唇により遮られてしまった。
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