「俺を誰だと思ってやがる?」

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ガヤガヤと教室中の喧騒が嫌でも俺にぶち当たってきやがって、せっかく微睡んでいた意識を無理矢理現実へと引き戻す。うるせェ、とたまに舌打ちしながらそれでも顔は上げず、机に突っ伏した状態を保ち続けていれば、いくらかの眠気がやってくる。そのささやかな安息に意識を委ねようとした時、何かが勢い良く机に突撃。俺の体ごと机がガタンと大きく揺れた。瞬間ささやかな微睡みは吹っ飛んで、変わりに頭上から降って来た軽い声。 「お、わりぃカミナ」 その主はこの学園で俺の次ぐらいに威勢のいい不良であり、なかなか気の合わねぇ野郎、キタンだった。 俺の学校に来る唯一の理由である昼寝っちゅう一番有意義な行動を阻害するのはお前か。このやろう。びびって目ぇ覚めちまったじゃねぇか。あ~あ、どうしてくれんだよ。もうこれ今から眠ンの至難の業だかンな。いや、つかもう眠ンのも面倒なんだよな…。そうだよ、もうどうせ後一限で帰れンだしな。残ってても結局寝るし。どうせならここで今日は帰っちまうか。 むくりと起き上がって、視界の隅に居た キタンに軽く手を上げてやる。 「俺帰るわ」 「あ?ちょっ…おい!!カミナ!!」 机の横に引っかかってた鞄を肩に担いでバイク走行で約20分の我が家へ帰宅しようと出入口へさぁ一歩。 「あと一時間残ってるぞ!カミナ!」 「ダルい、担任には適当に合わせといてくれ」 「あのなぁ…いい加減にしとかねぇと卒業できなくなっちまうぜ」 「へーへー」 お前に心配されたかねぇな、と心の中で毒づきながらキタンを退けて教室から脱出。直後に七限目予鈴の鐘が鳴った。それまで廊下でたむろってた生徒たちがしぶしぶと教室に吸い込まれていく。先公に見つかると面倒なので、生徒が全員廊下から消える前に速やかに校舎を後にした。
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