ひょんな些細な出会いから💕

お姫さまは脱走から

「じゃあ、まずはサクヤに電話しようか。」

カイが言うや否や、近くの男が電話を取りだし、番号を押し、カイに渡す。

「……やぁ、サクヤ。俺だけど……やだなぁ。オレオレ詐欺じゃないよ。俺。……まぁ……思い出せないならそれでもいいけど……大事な女の子が大変な事になっちゃうかもね。」

……意地でも自分から名乗りたくないんだなぁ……オレオレ詐欺にまで間違われて……。

「……冗談？んなわけないじゃん。じゃあ、声を聞かせてあげるよ。はい。」

と言って、ケータイを渡された。

「えっと…もしもし？」

『アケカか？なんでソコにいるんだよ！？知らないヤツについて行くなよ！！』

なんか、この私の年齢無視なセリフ、前にも誰かに言われた気がする。

サクヤさんの声だ。さっき、学校出る前に話したばっかりだが…懐かしく感じる。

…特に状況が変わる訳ではないが安心するのは何でだろう？

「まぁ………色々ありまして………詳しくはヨウさんに聞いて下さい。」