悲劇

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峠を越え 川を泳ぎ 木を昇り 海を渡り 時には髪の毛達を失いながら 髪の毛を失うたび涙した ある日崖を登ると夕日が見えた その綺麗な夕日を見ながら僕は 今までの髪の毛達の死を無駄にはしない 残った髪の毛達を今まで抜けていった髪の毛達の分まで大切に守って行こうと思った 風に吹かれながら抜けていく髪の毛達を知らずに 旅から帰って来たときには彼の頭はバーコードになっていた
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