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~レイアView~
さて、『奴』こと咎人と旅を初めて早一週間。
元々軍でサバイバルを習っていた私は旅自体にはさして苦労してない。
旅支度はあの後三日かけて町に行き、持ち金と身に付けていた装飾品などを売ってから必要な物をを買った。
今の私は、軽装で装備は革の胸当て・膝当て・籠手。
その上に特殊繊維で出来た灰色のフード付きマント羽織り、背中に愛剣『リュバンテ』と盾『エルビナ』を背負っている。
――で、現在旅七日目。
時間は日が少し傾いたとこ。
だだっ広い草原のど真ん中を歩いている。
私は前を歩く深紅のポニーテールを犬の尻尾の様に揺らす女(?)に聞く。
「なあ、ひとついいか」
奴は振り向きもせず、足も止めずに「何だ?」と聞き返す。
「町を出てから今日で三日になるが、ここは何処だ?」
「…分からん」
――ゴキッ!……ヒュー……トンッ。
私は奴の背中に蹴りを入れた。
奴は前方数メートルふっ飛び空中でそのまま前転して綺麗に着地した。
そして、顔だけこちらに向け声を荒げた。
「何するんだ!?コラァ!俺じゃなかったら死んでたぞ!……タブン」
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