Act.3 初旅          ~人生と旅はトラブル&エラー~

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私はそれを無視して歩きながら続ける。 「つまり現在地は分からない……と。」 奴は今ので艶めかしく谷間が――さらし越しに――見える程着崩れたので、それを直しながら「そう」と頷く。 「……で、何処に向かっている」 私が睨みながら聞くが、特に気にした様子もなく淡々と、 「ん~。次は適当に南にでも行って泳ごうかと……方角はあってる。」 「何故、方角は分かって現在地は分からんのだ!」 「いや、分からんこともない。ちょいと考えたら分かるが……面倒ッ!」 ――バシッ! 「痛っつ!」 「どれだけ面倒臭がり屋なんだ!」 思わず後頭部を力一杯しばいてしまった。 ~咎人View~  ――バシッ! 「痛っつ!」 「どれだけ面倒臭がり屋なんだ!」 ……ったく、承諾はしたが殆んど勝手につい来ている癖に煩い奴だ。 退屈はしないが、こいつのツッコミは殺人レベルに達していて、手加減を知らんらしい。 背中に食らった蹴りも、とっさに蹴りのタイミングに合わせ跳んでなかったら、背骨がバラバラになっていた。 さっきのツッコミも後頭部の頭蓋骨が粉砕。    
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