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とりあえず、レイアに声をかける。
「おい、レイア。囲まれてるぞ」
「分かっている」
レイアは既に剣を抜き、戦闘体勢に入っていた。
俺程ではないにしろ、大した索敵範囲だ。
しかし、いつもなら余裕で戦闘が回避出来るくらいの距離で気付くのだが……
思考に集中し過ぎていた為、気付くのがちょい遅れた。
距離は大体三百mで、俺たちを中心として四方を円形に囲んでいる。
徐々にそのまま迫っているので、戦闘の回避は無理。
敵は、食糧の匂いで集まったウルフの群れ三十八頭か……
普通なら一点突破で逃げるんだろうが……俺たちだからな。
とりあえず、レイアに聞いてみた。
「レイア。飯と金、どっちがいい?」
「無論、金に決まっている!モンスターの肉なんかいらん!」
レイアが答えた瞬間、二人同時に地を蹴った。
~レイアView~
「ふぅ~」
私たちは同時に深く息を吐いた。
立ち上る湯気がその息で揺れる。
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