Act.3 初旅          ~人生と旅はトラブル&エラー~

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とりあえず、レイアに声をかける。 「おい、レイア。囲まれてるぞ」 「分かっている」 レイアは既に剣を抜き、戦闘体勢に入っていた。 俺程ではないにしろ、大した索敵範囲だ。 しかし、いつもなら余裕で戦闘が回避出来るくらいの距離で気付くのだが…… 思考に集中し過ぎていた為、気付くのがちょい遅れた。 距離は大体三百mで、俺たちを中心として四方を円形に囲んでいる。 徐々にそのまま迫っているので、戦闘の回避は無理。 敵は、食糧の匂いで集まったウルフの群れ三十八頭か…… 普通なら一点突破で逃げるんだろうが……俺たちだからな。 とりあえず、レイアに聞いてみた。 「レイア。飯と金、どっちがいい?」 「無論、金に決まっている!モンスターの肉なんかいらん!」 レイアが答えた瞬間、二人同時に地を蹴った。 ~レイアView~  「ふぅ~」 私たちは同時に深く息を吐いた。 立ち上る湯気がその息で揺れる。    
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